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薬局製剤・調剤実習

煎じ薬、丸剤、軟膏剤などを実際に作ってみましょう!

2022(令和4)年度 漢方薬局製剤実習講座が開催されました!
令和4年度は昨年同様に感染対策に万全を期しつつ、7月17日(日)12:30より東京薬科大学・八王子キャンパスにて開催されました。
薬剤師の方、登録販売員の方、また帝京平成大学の学生など、参加者総勢69名(+役員22名)にて開催されました。
今回取り上げた処方は…【茶剤】葛根湯  【散剤】解熱鎮痛剤8号Aです。

<オリエンテーションと感染対策>
最初に東京薬科大学の三巻先生・佐藤先生よりご挨拶を賜りました。 開会挨拶ならびに法令・指針解説:三上会長 実習の手順とポイント:八木学術委員
19班に分かれて、密を避けた体制で実習しました。 会場の実習室は各方向の壁面に大型モニターが完備され、どの席からでもスライド等を鮮明に視聴できます。 参加者どうしの間隔もじゅうぶん取られています。
 
各班は4-5名(実習生3-4名+リーダー1名)の構成で、19班に分け、可能な限り密を回避した会場セッティングを心がけました。
昨年に続き、東京薬科大学様のご厚意により広い実習室を2室お借りでき、この体制が実現できました。篤く御礼申し上げます。

<茶剤:葛根湯>
葛根湯は7味の生薬よりなる、ポピュラーな漢方処方のひとつです。古典「傷寒論」では麻黄と葛根の2味を先に煎じ、他の5味をあとから加える方法が書かれています。当講座ではそれを「先煎」(さきせん)と呼称します。
本実習では古典の「先煎」と、薬局製剤指針に記載され、現在広く行われる一括煎じの両方を体験しました。

1) 葛根湯を構成する7味の生薬:カッコン、マオウ、カンゾウ、ショウキョウ、タイソウ、ケイヒ、シャクヤクです。
2) 製造記録書の作成:今回も製剤に先立って作成、製造計画書を兼ねた形とし、間違いのない製剤に役立てました。 3) 「一括煎じ」秤取と確認試験:A4白紙に、7味の生薬名と、それぞれの秤量を書き込みます。各々の場所に刻み生薬を秤取すると同時に、外観・匂いの確認試験も併せて実施します(味の確認は、感染防止のため観点から今回は任意)
4) 「先煎」秤取と確認試験(1):葛根と麻黄の2味を秤取し紙へ置きます。確認試験後、和紙袋の半分に分包します。
5) 「先煎」秤取と確認試験(2):残る5味の生薬を秤取し紙へ置きます。確認試験を行い、和紙袋の半分に分包します。
6) 2種類の葛根湯分包:上下に分かれているのが「先煎」対応タイプ。ひとまとまりになっているのが7味が一緒に入っている分包です。(いずれも1日分)
7) 「先煎」で煎じる:麻黄と葛根の2味の入った袋を先に煎じ始めたところです。奇数班は袋ごと煎じました。鍋の外にある袋が残りの5味で、後追いで加えます。 8) 一括で煎じる:偶数班は袋を開けて生薬を直接煎じました。7味の生薬が混然となって煎じられています。 9) 濾過、試飲:煎じ上がった煎液は茶こしで濾過して滓などを除きます。左から「一括・袋なし」「先煎・袋なし」「一括・袋あり」「先煎・袋あり」の4パターンの煎液ができました。先煎のほうがやや甘みの強い傾向が感じられる等、味・匂い等の違いを確認しました。
 
<散剤:解熱鎮痛剤8号A>
当協会の薬局製剤実習では初めてとなる、漢方生薬と西洋薬アセトアミノフェンの合剤です。頭痛・歯痛などの鎮痛や発熱・悪寒の解熱の効能をもちます。製剤上のポイントとして、生薬末(シャクヤク末、カンゾウ末)とアセトアミノフェンの粒径が異なるため、これをいかに揃え、均一に混和するかの手腕が問われます。

1) アセトアミノフェンの粉砕:原薬のアセトアミノフェンは結晶が大きいので、生薬末の粒径と同程度になるように、乳鉢にて粉砕します。乳鉢を扱うときは、乳鉢・乳棒の両方とも手に持って行うことが望ましい動作です。(乳鉢を机に固定して行うと薬剤が乳鉢にこびりつきやすい) 2) 混和:粉砕済のアセトアミノフェンへ、シャクヤク末、カンゾウ末、および賦形剤としてトウモロコシデンプンをそれぞれ秤量し、同様の動作で乳鉢にて混和します。 3) 篩過(しか):#18の篩を5回通し、粒径を揃えてさらに均一に混和されるようにします。
4) 分包・封入:玉匙を用いて1.5gずつ分包皿へ小分けし、袋へ移してヒートシーラーでシールします。 5) 重量偏差試験:10包作成したものを1包ずつ重量を測定し、平均値を求めて平均値と各包の差を算出します。平均からの重量差10%以上が2包以下、かつ25%以上のものが無ければ合格とします。 6) ラベル、添付文書、製造記録書の整備:薬局製剤販売医薬の情報提供は、第1類医薬品に準ずる厳密さが求められています。関連法規や指針に則って、表示、文書、製造記録を完備します。
 

<おわりに>

閉会の辞:三上会長
薬局製剤は、市販にない製剤・剤形や多品種少量生産、使用期限の短いものを迅速に提供でき、提供後の追跡調査もしやすいなど、きめ細かな製剤を実現するとともに、漢方の伝統を守り薬局の価値と信頼度を上げ、患者さんと薬局との距離をいっそう緊密にできるツールです。今日の実習で得たものを元に、さらに各自の創意工夫を加えて、薬局製剤の発展に寄与されることを願っております。


【終了】2022(令和4)年度 漢方薬局製剤実習講座

日時  2022年 7月17日(第3日曜日) 12:30 〜 16:00(予定)

場所  東京薬科大学 八王子キャンパス(東京都八王子市堀之内1432-1)

内容
  オリエンテーション
  製剤実習  【茶剤】葛根湯  【散剤】解熱鎮痛剤8号A

参加費

総合講座受講生  1,000円  Googleフォームにて、出欠をご連絡ください。
(フォーム有効期限:6/30 15:00まで)
6/19総合講座で出欠確認済の方はOKです。
日本漢方協会会員  10,000円  事務局へメールでお申し込み下さい。申込期間:6/20〜6/30
一 般  15,000円  同上
薬学生  7,500円  同上 *学生証をご提示ください。

【ご注意】この講座は、必ず事前にお申込みください。
実習当日のお申込みはできません。

2022年度製剤実習ご案内(PDF)

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