

平成13年4月20日に「第11改訂調剤指針」が発行されました。この本は日本薬剤師会の編集で関東逓信病院薬局長の内野克喜先生を委員長とした調剤業務委員会が担当しました。昭和30年に初版が発行されて以来40年の長きにわたり、調剤業務の必携の書として、また薬科大学の教科書として、高い信頼のある書籍です。この調剤指針にはじめて漢方煎薬が掲載されました。
医薬分業の進展は目覚しく、分業率が40%を超えるようになってきました。それに合わせ厚生省は平成5年に薬局業務運営ガイドラインを出して、すべての薬局で調剤ができるという体制を要求してきています。それを受けて、日本薬剤師会ではグランドデザインで地域分業での基幹薬局構想を打ち出しています。グランドデザインでは、漢方煎剤は無菌調剤と同じ「特殊な調剤」に分類されています。
日本東洋医学会では、平成元年より漢方専門医制度をもうけました。それにより医師の会員が8000名に達し、漢方を扱う病院・医院が急増してきました。この状況下で漢方煎じ薬の処方箋は、発行医が、煎薬の調剤が可能な薬局を探して処方箋を発行しているのが現状でした。
日本漢方協会の昨年の11月の漢方学術大会において、初級者分科会が「漢方調剤の問題点」を発表しました。薬剤師が漢方煎薬の処方箋を受け取って、正しく調剤ができるであろうかを取り上げ、数多くの問題点を指摘し、漢方調剤指針の必要性を訴えたものでした。この内容が日本薬剤師会の薬局製剤・漢方委員会で報告されました。ちょうど調剤指針の改訂作業中であったため、そこに入れ込むとことになったものです。
内容は以前から書かれていた「浸剤・煎剤」の項目3ページを短縮し、その部分に漢方煎剤」を入れたもので、実質は1.5ページしかありません。日本漢方協会の初級者分科会の発表の主旨を盛り込んだもので、問題定義の例をあげて表現しています。詳しくは、後で出されるであろう「調剤指針の解説」に掲載されることを期待しています。
薬食区分の見直し
健康食品の無秩序な販売に対して、昭和46年に「無承認・無許可医薬品の指導取締りについて」という薬務局長通知が出されています。46年に出されたので、「46通知」と呼ばれています。そこでは口から摂取されるものは医薬品と食品だけであるとしています。@成分本質A剤型B表示について食品と医薬品の区別をしています。@の本質については、1.2.3.と分類しまたそれを1ーa 1ーb 1−c 2−a 2−b 3 の6段階に分けていました。この4月より改正され、「専ら医薬品として使用されるもの」と「効能効果を標榜しない限り食品として認められるもの」の2分類になりました。
効能効果は食品であっても栄養補助食品のビタミン・ミネラルにのみ認められています。剤型はアンプル以外は規制緩和となっています。
いわゆる健康食品の開発は目まぐるしく、46通知にでていないものとその範囲についての競争がなされていました。今度の改正にあたり、今までにどちらに入れるかの判断をしてきたものを公表し徹底を図ってきました。医薬品にしか使われないと判断された「物」は、個々の品物毎の製造承認を取らないと流通しないことになってしまいました。
例 鬼状根 虎杖根 五霊脂 秦皮 桑寄生 敗醤根
これらの生薬は流通が止まるかもしれません。漢方に使われているものだけでも行政に手を打たないといけないと思われます。
新学術講師に佐竹先生
日本漢方協会には、講師団の外に学術講師があります。井口昌樹先生 加藤洋先生 根本幸夫先生がいらっしゃいます。今回、新たに佐竹元吉先生に就任していただきました。先生は国立衛生試験所生薬部長を退職され現在は薬剤師研修センターの顧問をされています。当協会では学術大会の特別講演や昨年度の漢方特別講座で講義いただいています。生薬の規格では日本薬局方の責任者、栽培技術では国内生薬の品質と育成と活躍なされた先生です。