直線上に配置
バナー
直線上に配置
薬局製剤の漢方薬
日漢協通信13年9月号より

日本漢方協会 副会長  三上正利

薬局製剤の歴史

 昭和18年に薬律と売薬法が廃止され、薬事法に変わったため、局方収載品目以外の薬局製剤は作ることが出来なくなった。その翌年の昭和19年には局方に収載されていない45品目の 公定書が出されそれと局方収載品目を作ることができるようになった。それが昭和22年には120品目に増加した。ここまでは局方にも公定書にも漢方薬は収載されていなかったので、薬局製剤の漢方薬は法律的には0だったことになる。 昭和23年に公定書が国民医薬品集となり、漢方処方が4品目収載された。 黄疸散(茵Y蒿湯)血圧下降剤2号(三黄散)鎮咳剤2号(小青竜湯)発汗解熱剤(葛根湯)。この年に薬局製造所も一般の医薬品製造業と同じように「医薬品製造業」の許可が必要になったが、逆に公定書以外の処方であっても、公定書を変化させた医薬品の承認ができた。薬局製造品目は、薬局の備品で作ることができることが条件であることと、厚生大臣の指定した原料の範囲となっている。そのため局方や国民医薬品集の処方は、例示にすぎないとされていたためである。そのため薬局製造業者の製造承認品目は膨大な数になってしまった。これに対して行政は、局方・公定書外の製造を10品目いないとするとした。昭和30年に国民医薬品集の改訂があった。漢方薬は、三黄散 小青竜湯 葛根湯 小半夏加茯苓湯  の4処方が収載されていた。昭和33年に公定書外47処方が厚生省と薬剤師会で決定され、薬局製剤は、局方と国民医薬品集とこの47処方となった。この時点では漢方薬は国民医薬品集の4品目だけであった。 昭和41年に第7局方が発布されその2部に 国民医薬品集がそのまま移行した。局方に漢方処方が4つ収載されたわけである。局方外の処方47処方は、だんだんと増加し昭和51年には漢方処方28(+局方4品目) 昭和52年 には50(+局方4)となった。スモン判決後の昭和55年の薬事法改定で、局方品目であっても製造承認が必要になったため、局方から漢方処方が収載されなくなった。その時点で漢方処方は全部局方外となり、185処方となった。それが平成4年には201品目、平成8年には212品目(安中散料と安中散のように1処方で2品目となっているものもあるので192処方)となっている。

(注:薬局製剤の漢方数には誤りがありますので、14年10月号にて訂正してあります。ご確認下さい)

210処方との関係

 昭和47年から49年にかけて「一般用漢方製剤製剤承認内規」が出た。これには210の処方が収載されているため「210処方」と呼ばれている。

薬局製剤は一般用医薬品の範疇に入るとされていることから、この210処方の規格で承認を取ってきていた。これとは別に「医療用漢方処方」の146処方の内規がある。内規に記載された処方は、規格と安定性のデーターのみで承認が取れる。これに対し、服用法・効能効果・成分分量どれか1つでも異なる場合には、臨床データー・安全性データーなどをそろえる必要がある。

210処方で薬局製剤にない処方

 210処方に記載されていて薬局製剤として承認を得ていない品目は以下の通りです。

延年半夏湯 加味解毒湯(210処方での効能不一致) 加味平胃散 鶏肝丸 左突膏 滋血潤腸湯 蛇床子湯(前回まで入っていたが取り下げた) 蒸眼一方 椒梅湯 秦帙ウ活湯 秦尠h風湯 川茶調散 丁香柿蒂湯 八味逍遥散(逍遥散と同一処方なので前回取り下げた) 伏竜肝湯 補肺湯 楊柏散   全18品目

日本薬剤師会では

日本薬剤師会の薬局製剤・漢方委員会では高齢者社会など環境の変化に対応する漢方処方の充実のために附子剤などの処方を中心に承認を増やしたいと行動している。そこで問題になるのが210処方の改訂となっている。

薬剤師会委員要望品目

  厚生労働省の漢方専門者協議会(元の中央薬事審議会の漢方調査会)で薬剤師の委員が日薬の薬局製剤・漢方委員会の意見をまとめて提出した210処方改訂の要望品目は下記の通りです。処方後の()内の「医」は医療用146処方にあるもの。「般」は一般用医薬品既存品を示しています。

 烏薬順気散 越婢加朮湯(医・般)楼薤白半夏湯 甘草乾姜湯 甘草附子湯 九味梹榔湯(医・般)   桂枝芍薬知母湯(医・般) 四逆加人参湯        四逆湯(般)   梔子湯 芍薬甘草附子湯(医・般) 真武湯(医・般) 清熱補気湯 清熱補血湯      千金内托散 続命湯(般) 大黄附子湯   大青竜湯(般) 沢瀉湯(般)  托裏消毒飲

 竹葉石膏湯(般)当帰拈痛湯   麦門冬飲子    半夏湯・散   百合固金湯 白朮散 白朮附子湯  茯苓四逆湯 附子湯    附子人参湯(医・般) 奔豚湯 麻黄附子甘草湯 麻黄附子細辛湯(医・般) 木防已湯(医)苓甘姜味辛夏仁湯(医・般)       苓桂味甘湯  連珠飲 

「般」の処方は、承認前例があるのでなんとか成るのではないかと思われる。

146処方品で210処方に無い物

越婢加朮湯 葛根加朮附湯 桔梗石膏 九味梹榔湯桂枝芍薬知母湯  梔子柏皮湯  芍薬甘草附子湯真武湯  大柴胡湯去大黄 大承気湯 大防風湯 腸癰湯 当帰芍薬散加附子 排膿散及湯 

附子人参湯 麻黄附子細辛湯  木防已湯  

苓甘姜味辛夏仁湯 

 薬剤師委員の要望の「医」の品目や、ここに揚げた品目は、医療用として承認内規が出来ているのでスイッチ0TCとして交渉の予知がある物ですが、医療用の漢方処方は現在再評価中であることがネックとなっている。

  以上10月8日の日本薬剤師大会(横浜)で報告する内容です。来年1月の漢方特別講座の薬局製剤の実技にも関係があるので掲載した。【三上記】