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日漢協通信15年8月号より

       日本漢方協会 副会長  三上正利

                                     

 6月24日に厚生労働省のワーキンググループ「一般用医薬品としての生薬製剤(西洋ハーブを含む)の審査のあり方に関する検討会」の1回目が開かれました。12人のメンバーで座長には東京大学名誉教授の斎藤洋先生が選ばれました。斎藤先生は日本漢方協会の学術大会で特別講演をなさったことがある方です。メンバーには、名城大学の荻原先生・日本大学の安川先生・北里東医研の花輪先生・国民生活センターの板倉先生(学術大会で発表していただいたことがある)が入っていらっしゃいます。

経過
 昨年(平成14年)に「一般用医薬品承認審査合理化等検討会」がもたれ、「セルフメディケイションにおける一般用医薬品のあり方について」という中間報告として発表されました。
その中で、漢方薬・生薬の活用として
 (1)国内で長期間医薬品として使用されてきた生薬
 これら生薬は我が国では漢方処方に配合されたり、民間薬として用いられたりするなど、有力な医薬品素材として古くから伝承され今日に至っており、各時代を通じて少なからぬ役割を果たしてきた。現在のところ、「刻み」または「末」として承認されている約30種を除いては単味の医薬品としてほとんど承認されていないが、一般用医薬品の範囲拡大のためにも具備すべき特性を考慮した基準等を策定するなど、今後とも引き続き積極的に維持存続を図るよう検討が必要である。
(2)国外で医薬品等として使用されてきたいわゆる西洋ハーブ
 いわゆる西洋ハーブのうち、その作用等からみて医薬品成分として取り扱うことが妥当なものがあると考えられる場合には、その取扱いについて、海外での取扱い事例も参照しつつ検討する必要があろう。

現状

アメリカでは

*OTC薬としては、数種の生薬製品が存在している程度であり、多くの生薬製品はダイエタリーサプリメント(DC)として市場に流通している。DCには人体の機能・構造の維持と増進効果及び健康維持といいった表示は可能であるが、疾病の診断・緩和・治療・処置・予防に関する効能を標榜するためには、医薬品としての承認を受けなければならない。

*生薬製剤としての承認を取得するためには科学薬品と同じ承認審査プロセスが必要とされていたが、FDA(米国医薬品食品庁)は植物製品を医薬品として承認するためのプロトコルとして2000年8月に「Guidance for Industry Botanical Drug Products(Draft)」(以下ガイダンス案という。)を公表した。ガイダンス案として、生薬の特殊性を加味し、化学薬品とは異なった開発プロトコルが提示されている。これによると生薬製品を上市する場合には、OTCモノグラムに登録するか、新薬申請(NDA)又は簡約新薬申請(ANDA)による承認を受けるかを選択することになる。

OTCモノグラム登録による上市
OTCモノグラムに登録出来るものは、米国の特定のOTC薬としての効能又は効果の範囲で長期間上市されており、安全性及び有効性の明確な根拠がある生薬製品とされている。

*NDA承認による上市
上記以外の生薬製品については、NDAとしての申請となる。いかなる国においても上市されていない又は安全性に問題のある生薬製品は新たな臨床試験など信頼出来る追加データ・資料が原則必要となる。しかし、米国で上市されており、有害事象の報告がなされていないもの及び海外における使用実績のあるものについてあは、治験薬申請において、文献レベルの安全性、有効性情報などのレビュー又はこれらに人での安全使用実績調査や販売実績等のデータを追加することにより、初期臨床試験(PhaseT,U)に着手することができるとされている。ただし、PhaseVの着手に際しては、より詳細な科学的性質、製造工程管理及び安全性情報並びに系統的な毒性試験データ(一般毒性、催奇形性、変異原性、癌原性)の評価に関する資料が必要とされている。
*ガイダンス案は現時点ではまだドラフトの段階である。

EUでは
 2002年に委員会を作った
 生薬個々の審査基準となる、モノグラフを作成することとなった。その内容は@定義A成分B臨床データC生物学的データなどからなること。
EUで30年以上使われてきたものは承認が簡単になり、「本製品の有効性は臨床試験により証明されたものではなく、症状が軽減しない場合には医師などに相談すること」と表示することにしている。

検討点
○セント・ショーンズ・ワート(西洋アトギリソウ)の安全性への問題・特に他の薬物絵の影響 
○イチョウバのアレルギー

○アリストロキア酸の腎障害
○生薬製剤の肝炎や間質性肺炎・膀胱炎症状
以上を踏まえ 医薬品・部外品の範囲と承認方法を検討することとなった。

   私としては、生薬・ハーブ・民間薬の承認基準を作り、承認のハードルを下げ、医薬品として適性使用されることを望んでいる  

 

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生薬・ハーブを取り巻く問題への対処  一般用医薬品としての生薬製剤(西洋ハーブを含む)の            審査のあり方に関する検討会より