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@はじめに
漢方は明治「医制」以来、正統医療から外辺医療になってしまった。それにも負けず、漢方を愛好する医師と薬剤師で細々と存続してきていた。西洋医学では、普遍的な理論が優先された。そのため個々の特徴が軽視されてきた。その結果として、副作用など不利益な状況の続発がおこってしまい、患者個々を大事にする漢方が見直されてきた。いわば相手の失点により漢方治療が正統治療の一手段として認知されようとしている。今後、漢方薬や漢方治療が存続し発展してゆくためには、現医療のシステムにどのように入ってゆくのかが鍵となると思われる。医学教育に漢方が取り入れられた。しかし、薬学教育(薬剤師教育)は2007年から6年制になるが、そのカリキュラムや現場実習の内容からは漢方の時間はそれほどにはなっていない。西洋薬での服薬指導については、漢方では証の把握・服用後の変化・誤治・オバードーズとして治療と不可分のものであった。そのほか、オーダメイド治療、EBMやHBM(人間性を含めたEBM)なども漢方では行われてきていた。
A個人と組織
漢方薬が、正統医学の外に置かれ、どちらかというと、地下に潜った存在であった時代では、現在のようなやかましい規則は無かったと思われる。薬局製剤の漢方薬も、ゆくゆくは野放し状態ではなくなることを想定して、合法化の道として先人が作ってくれたものであろう。それが強いては、薬局での漢方薬の存続につながってきている。個人個人では、昔の規制が無い時代を懐かしく思われるとおもう。古典で勉強したことがすぐには実行できなくて、さびしい思いをされた方も多いと思う。
BAUR
何とかして、現在の医療システムのセルフメディケイションの一環として、一般用漢方薬の有用性を明らかにする目的で、今回のAURが行われた。個人的には、漢方薬は有用であるから、現在まで使われてきているのだから、今更そんなことを証明する必要が無いのではないかという考えが当然であろう。しかしそれを何らかの形で認めてもらおうというのがこのAURで今回はその、手法の確立を狙っている。
分担研究者 代田 修(国立医薬品食品研究所・生薬部・主任研究官)合田幸広(国立医薬品食品研究所・生薬部部長)を中心に行われている。
自分自身の健康に強い関心を持つ国民が増加する傾向にあり、セルフメディケーションの考えがひろがりつつある中で、一般用医薬品のあり方等に関する再検討および国民の新たなニーズに対応し得る一般用医薬品の育成が必要とされている。特に漢方処方は、効能効果が比較的穏やかであることや、慢性疾患への長期的な使用を目的にするなど、その有用性の評価が困難であることがいわれ、長年の使用経験に基づいて承認されているが、これまでその有用性を評価する手法が示されていない。よって、薬剤師研修センター、日本漢方生薬製剤協会、日本大衆薬工業協会薬制委員会、大学関係者、薬局薬剤師の協力を得て、一般用漢方製剤の有用性評価の手法としての使用実態調査の確立を目指した。
以上報告書より
210処方の見直しのためにも、一般用漢方製剤の有用性の評価と安全性に対するデーターが要求されている。今回はその手法の確立のための「パイロット調査」となっている。今回の調査対象薬として長期の薬として加味逍遙散(小太郎漢方製薬のカミセーヌ180錠入り)と葛根湯(カネボウ株式会社の葛根湯エキス顆粒Sカネボウ12包)が選ばれ、加味逍遙散が20日間、葛根湯が4日間の連続服用で行われた。調査実施薬局・調査責任薬剤師・調査薬剤師が行うこととして、責任薬剤師に説明会を開いて開始された。加味逍遙散は6月から、葛根湯は9月より実施された(説明会の都合で実施薬局は東京近郊から選ばれた)(次回は関西方面を予定か)。結果は期待した通りだったと聞いている。加味逍遙散は、じっくり説明を受けて購入するタイプであり、葛根湯はせわしい中での買い物であったり、常備薬としての購入が多く、協力者を集めることが難しく、調査の方法にも工夫が必要なことが分かったそうである。
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