実用漢方処方集は 平成元年に日本漢方協会創立20周年を記念として発行されました。平成五年には、日本薬局方の改定に伴って、薬局製剤の改訂が成されたことを受けて第2改訂を行いました。今回また第3改訂を行いました。改訂に当って以下のことに留意しました。
①利用者からの誤記の指摘、ご意見を反映させた
②学会などで話題になった処方の追加
③下段の「使用目標」や「注意」を増補した
④処方名のひらがな表記は「厚生科学研究の漢方処方名ローマ字表記法」を優先し、漢字名の右側に書いた。
⑤全体利体裁を統一した
⑥原典や引用文献の部分は手を加えないようにしたが、明らかなミスプリントは訂正し、下段に「注意」として記載するようにした。
主な追加処方
外台四物湯加味
四物湯(外台)加味 細野方
効能効果
暴咳 喘息 百日咳 嗄声
成分
桔梗3 甘草2 紫苑1.5 麦門冬9 人参1.5 貝母2.5 杏仁4.5
解説
勿誤方函口訣に外台四物湯が記載されている。それに人参・貝母・杏仁を加味した外台四物は勿誤方函口訣には「卒に暴咳、吐乳、嘔逆を得、昼夜息を得ざるを療す。
小児暴に咳嗽を発し、声唖、息を得ざるものを主とす。故に頓嗽(百日咳)の劇症、或いは哮喘(喘息)の 急症に用いて効あり。大人一時に咳 嗽、声唖するものによろし。
肺痿の声唖には効なし」と書かれている
出典
方証吟味 嗄声 (外台秘要の四物湯に人参・貝母・杏仁を加えた)
注意
四物湯(和剤局方)の下段注に「外台四物湯とは別処方」
柴胡枳桔湯五味(細野方)(傷寒藍要)
効能効果
こじれた風邪のひどい咳
成分
柴胡3.5 半夏6 生姜2 黄芩1.8 瓜呂仁2.4 桔梗3.2 枳実1.8 甘草1 麦門冬6.8 桑白皮3.2 石膏10 黄連0.2 紫蘇子1.5
解説
勿誤方函口訣に収載されている柴胡枳 桔湯(傷寒藍要)に麦門冬・桑白皮・ 石膏・黄連・紫蘇子の五味を加味した もので「漢方の臨床」2巻6号42頁 に細野史郎先生「浅田は柴胡枳桔湯に 五味をくわえる。」とある。処方分量 は細野方による。
柴梗半夏湯(医学入門)
効能効果
こじれた風邪で脇腹にひびく咳。柴陥湯は胸に響く咳で胸痛を伴うのが特徴だが、本方は脇腹あるいは腹に響く咳で鑑別する。(中田敬吾先生談)
成分
柴胡4 半夏4 桔梗3 杏仁3 瓜呂仁3 黄芩2.5 大棗2.5 枳実2 青皮2 甘草1.5 生姜1.5
楼薤白湯(細野方)
効能効果
狭心症および胸部の痛み
成分
瓜呂仁2 薤白10 十薬6 甘草2 桂枝4 防已4
解説
「漢方の臨床」12巻3号14ページ細野史郎先生「細野家方」とある。処方分量は細野方による。